新オプティマイザで安全性能を強化

安心して使えるソーラーエッジの自家消費用PCS

ソーラーエッジが新しいパワーオプティマイザを発売した。火災リスクを未然に防ぐ機能を搭載して、安全性を高めた。自家消費提案に力を入れるEPC企業は必見だ。

工場などの建物に太陽光発電設備を導入する際、最も気を配らなければならないのは安全性だろう。特に火災事故は避けなければならない。この状況下、世界有数のPCS(パワーコンディショナ)メーカー、ソーラーエッジは新技術、ソーラーエッジSense Connect(センスコネクト)を開発し、パワーオプティマイザに搭載して安全性能を高めた。

技術開発にあたって、同社は電力アークに着目した。アークとは、直流電力が流れている回路で発生する放電現象だ。ケーブルの断線や接続不良などで生じ、事故が発生する確率が低いとはいえ、太陽光発電設備における火災事故の主因とされている。そこで同社は、太陽光パネルとパワーオプティマイザを繋ぐコネクタ部でアークが発生するような熱異常がみられた際にパワーオプティマイザから指示を出してPCSを停止する技術を開発した。

ただ、アークが発生する確率が低いにもかかわらず、PCSを停止させると、機会損失になる。これについて、ソーラーエッジテクノロジージャパンの川下宣英テクニカルマーケティングディレクターは、「当社では、アークの発生する要因や温度環境など、経験をもとに把握しており、それらを踏まえて開発しました。高い精度でPCSを停止させることができます」と語る。

同社は、このセンスコネクト技術を搭載したパワーオプティマイザを『Sシリーズ』と称し、2022年3月に住宅用の製品を発売、12月には産業用の製品を売り出した。産業用では、高出力パネルや両面発電パネルに対応するため、入力電力を従来品比約1割増の1200Wとしたうえで、出力電流も同約1割増の20Aと高めた。

さらに、オプティマイザ同士を繋ぐケーブルの長さを従来品から大幅に変更して施工性を高めている。これにより、オプティマイザ同士を繋ぐ際に片側1本のケーブルの配置だけを考慮すればよく、現場の作業効率が上がるという。