田淵電機の蓄電設備がヒットした理由

20年度3万台濃厚!

ダイヤモンドエレクトリックHD傘下の田淵電機がハイブリッド型蓄電設備の販売を急速に伸ばしている。なぜヒットしたのか。

ハイブリッドPCS(左)と蓄電池ユニット(右)

田淵電機が2020年1月に発売したハイブリッド型蓄電設備、『EIBS7(アイビスセブン)』の売れ行きが好調だ。発売初年度にして出荷台数が1万台を突破し、従来機の『EIBS』と合わせれば、20年度は3万台に達する見通し。国内販売シェアは実に30%を超えている模様だ。

EIBS7が売れる要因はいくつかある。

第一に、FITの売電期間が終了する〝卒FIT〟の住宅用太陽光発電設備の利用者にうってつけの製品であること。そもそも、卒FIT設備の利用者は余剰電力の売電による経済メリットを前提に設備を導入しており、電力が多く余る。余剰電力をためられる蓄電設備の潜在ニーズが大きいのだが、単機能型の蓄電設備では蓄電設備内のPCS(パワーコンディショナ)と既設の太陽光発電用PCSの機能が重複してしまう。これに対して、田淵電機のハイブリッド型は設備内のPCSを蓄電池用としても太陽光発電用としても使えるため、PCSの買い替え時期が迫る卒FIT設備の利用者にとって好都合なのだ。