次世代PCS発売へ

進化するファーウェイの住宅用蓄電設備

自立9.9kW高出力実現

新型PCSの最大の特徴は、自立運転時9.9‌kWの高出力化を実現した点だろう。いまや太陽光パネルの高出力化に伴い、新規案件ではパネルの出力が10‌kWを超える住宅用太陽光発電設備が増えた。この場合、4.95‌kW機2台の9.9‌kWとして同社のPCSは設置されてきたわけだが、従来機は自立運転時に各PCSから4.95‌kWずつ出力される仕様だった。むろん、従来機でも宅内全ての家電製品を停電時も使える全負荷対応品ではあったが、改善の余地があったのだろう。同社は、新型PCSの開発にあたって、周波数を調整する機能を設け、自立運転時の2台並列運転を実現。停電時も計9.9‌kWの高出力で宅内に電力を供給する仕組みを構築したのである。

一方、AI(人工知能)による蓄電設備の最適制御機能も特徴的だ。安価な夜間電力を購入して蓄電池にためる運用は一般的だが、翌日の天候によっては太陽光発電の発電量が増え、余剰電力をためる容量が確保できなくなる場合もある。そこで同社は、『EMMA』という新機能を導入し、翌日の天気予報から太陽光発電の発電量を予測しつつ、蓄電池への充放電の時間を制御して経済合理的に運用する仕組みを設けた。

6月に発売する新型トライブリッドPCS『SUN2000-4.95K-LB0-NH』