ファーウェイが蓄電池販売に本腰

住宅用に続き、産業用の新製品発売へ

分散とスマート化でコスト削減を実現

新製品の産業用蓄電設備

この住宅用ハイブリッド型蓄電設備に加え、同社が年内にも発売するのが産業用蓄電設備だ。最大の特長は、蓄電設備の総費用を大幅に低減できる点である。仮に、蓄電容量2万kWhの大型蓄電設備の25年運用に5億円超の設備交換費がかかるとしよう。同社の設備を用いれば、交換費は4億円未満に下がり、総費用は1億円以上削減できる。

鍵は〝分散〟と〝スマート化〟だ。蓄電池部は20フィートコンテナに収めた蓄電容量2064kWhが1単位だが、コンテナの内部は蓄電池ラックや蓄電池パックに細分化されており、各々で制御される仕組みが施されている。具体的には、電池セルを直列に接続した蓄電池パックにはBMU(蓄電池状態監視装置)が1台搭載、蓄電池パック21個で構成される蓄電池ラックにはDC/DCコンバータが内蔵されており、各々で充放電が最適化される。同社は、充放電に伴うロスを極限まで減らしつつ、新しい蓄電池と劣化した古い蓄電池を併用できるようにしたわけだ。

さらには温度管理。同社はコンテナ内に個別空調数台を完備させ、内部の温度差を3℃未満に保つことで蓄電池の寿命をさらに延長させた。このほかにもO&M(管理・保守)の簡素化を図ったり、PCSの稼働率を99.9%まで高めたり、内部短絡の自動検出や火災リスクを検知する仕組みも導入、同社は安全性を高めつつコスト低減を実現したのである。