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蓄電ニーズを捉えた価値の複合化が普及の鍵

明星大学理工学部総合理工学科電気電子工学系 伊庭健二 教授

価格低減への課題があるものの、多方面で期待される蓄電池。どれほど普及するのか。『定置用蓄電システム普及拡大検討会』で座長を務めた明星大学の伊庭教授が語った。

プロフィール●1955年東京生まれ。80年に早稲田大学大学院理工学系研究科修士課程修了後、三菱電機に入社。電力系統技術の研究開発に従事。83年米ウエスチングハウスにて研修。03年に三菱電機退職後、都立航空高専教授を経て04年より明星大学理工学部教授。経済産業省等の各種委員会の委員等を務める。

蓄電池は高額ゆえ、複合的に付加価値を高めていく必要がある。つまり、非常用電源の機能や、ピークカットによる電力代削減の効果、あるいは変動する再生可能エネルギーの調整役となり得る点などの組み合わせである。たとえば、再エネの調整役の機能は、短時間で小さな電力の出し入れだとすれば、それほど大きな蓄電容量(kWh)は必要としない。これから導入されるFIP(フィード・イン・プレミアム制度)事業では、朝・夕など電力の供給量が不足しやすい時間帯に、蓄電池で再エネ電力を電力系統へ逆潮流すれば、発電事業者は収益性が向上し、電力市場は価格が安定するので、多目的利用しやすい制度にしていくべきだろう。

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