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再エネ設備のトレンドを追う!関西モノづくり最前線

増える陸屋根設置

工場や法人施設での屋根上設置が増えるなか、架台メーカーの製品開発が熱を帯びている。

屋根上で最も太陽光発電設備を載せやすく、導入が先行しているのが金属屋根設置だ。これまで住宅用の太陽光取付金具を製造してきたダイドーハント(大阪府吹田市)は産業用の製品開発に着手、22年4月に新しい金属屋根用の産業用金具を発売した。本来であれば太陽光パネルの端部と中間部用の2種類必要なところを、1つの金具で兼用できるようにして、「部品管理を容易にし、施工期間の短縮に寄与できる」(岡室勝幸ソーラー・エコ事業部長)製品に仕立てた。

近年は学校の屋上を始め、陸屋根での設備設置を検討する企業や自治体も出始めている。陸屋根には、架台設置時にアンカーボルトなどで穴をあけるのが一般的だが、屋根の防水処理に影響を及ぼす恐れがある。そこで、アンカーボルトを打たず、重りで固定する置き架台が増えている。屋根に穴をあけないため、防水処理への影響を低減でき、太陽光パネルや架台を取り外しやすく、屋根の保守にも影響しにくい。

置き架台への関心は日増しに高まっており、置き架台や接着架台を製造・販売するアイユーソーラー(兵庫県神戸市)への問い合わせも増えているようだ。同社は太陽光パネルのフレームに金具を取り付け、金具をコンクリート縁石や接着剤で固定するシンプルな構造にして、設計や施工を簡素化している。同社の友野収社長は、「台風や地震にも強く、最近ではPPA業者からの引き合いも増えている」と現状を述べる。

一方で、より防水対策に主眼を置きたい施工会社から注目を集めているのが、防水シートメーカーのアーキヤマデ(大阪府吹田市)が提供する陸屋根用基礎である。同社設計推進本部の扇田博之執行役員は、「太陽光発電設備の設置と防水対策は切り離して考えることはできない」と防水対策の重要性を説く。それゆえ、同社は防水シートと太陽光基礎を併せて販売し、防水改修工事まで行う。防水システムを一新し、新たに10年の防水保証を付与するなど、太陽光発電の安全運用に寄与していく。

屋根上に充分な容量の太陽光パネルを設置できない場合も想定されるため、太陽光パネル搭載カーポートも非FIT時代に有効な製品となるだろう。太陽光架台メーカーのタカミヤ(大阪市)は再エネ発電事業を手掛けるシン・エナジーと太陽光パネル搭載カーポートを共同で開発、21年5月に売り出し、このほど導入実績が1MWを超えたと明かした。屋根葺材の代わりに太陽光パネルを載せるシンプル構造としつつ、「FIT案件での経験や、本業である仮設機材の製造販売で培ったノウハウをもとに、様々な設置場所や環境下に対応できる」(タカミヤ事業開発部PV事業課の木下穣臣担当課長)強みを活かして、公共施設や商業施設、工場向けに納品してきた。

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