eye sight

千葉大停電で太陽光が活躍 低圧発電所が非常電源に

低圧太陽光発電所を近隣住民に開放

近隣住民に電力を開放したサンエーの非常時を想定して。低圧太陽光発電所コンセントを設置

一方、低圧太陽光発電所を近隣住民に開放した事例もあった。前出のサンエーは、富津市内に保有するパネル出力43.7kWの太陽光発電所を自立運転モードに切り替え、近隣の住民に電力を提供したのだ。

サンエー千葉支店の片野隆太支店長代理は、「この太陽光発電所は3.11の震災を踏まえて建てたので、設計段階で非常時に電力を供給できるよう自立運転機能つきのPCSを採用し、コンセントも用意した」とし、「太陽光発電所の前に電気を自由に使ってくださいとのぼり旗を立て、SNSで拡散して呼びかけたので、多くの方々に利用してもらった」と状況を語る。

実際、サンエーの低圧太陽光発電所と隣接する医療法人さくらクリニックのスタッフも携帯電話の充電用途で太陽光発電所を活用したようで、さくらクリニックの石代誠理事長は、「この辺りは丸5日停電が続き、大変だったが、太陽光発電所のおかげで電気が使えた。とても感謝している。今後は病院にも非常用電源を導入しようと思う」と語る。

サンエーは、千葉県君津市内に持つ出力6kWの太陽光発電設備を設置したモデルルームでも電力を提供し、300組以上の利用者が訪れたという。こうした取り組みが全国に広がれば、太陽光発電への批判も和らぎ、地域電源として住民から真に受け入れられる日が来るかもしれない。

サンエーは停電時にモデルルームで電力を提供。千葉支店の片野支店長代理は利用者を募った

eye sight を読む

一覧を見る