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営農用太陽光ルール改定へ 規制強化の方向に舵か

農水省が農地一時転用のルールを改定する意向を示した。規制が強化される方向だ。営農用太陽光発電の事業環境が大きく変わるかもしれない。(本誌・中馬成美)

農林水産省は2026年4月15日の検討会で、農山漁村再生可能エネルギー法に基づく地方自治体の計画認定を受けた営農用太陽光発電の開発案件のみ農地の一時転用許可を受けられる仕組みにする方針を示した。さらに、遮光率は30%未満であること、機械作業に支障がないものとして最低地上高3m以上、支柱間隔4m以上の架台を使用すること、50万円以上の生産・販売実績のある者を営農者とすること、栽培する品目はその地域ですでに栽培されており、販路が確立されている品目とすることなど、規制を強化する方向で議論している。

ルールが改定されると、農山漁村再エネ法のもと、市町村が定めた基本計画に適合する営農用太陽光発電の開発案件のみ農業委員会管轄の農地一時転用許可を受けられることになる。市町村が定める基本計画にもよるが、営農用太陽光発電への知見の浅い自治体職員が大半であるだけに、結果として営農用太陽光発電への規制が強化される可能性が高い。

なお、原則8割以上の収量確保や農業生産の状況報告、3年毎に農地一時転用の再許可が必要といった従来の要件は継続される。既存の営農用太陽光発電設備には、これまで通り、農業委員会を経由した自治体への再許可申請が必要となる見通しだ。

営農用太陽光発電は、営農の継続を前提に農地の上部に太陽光発電設備を設置して発電事業を行うというもの。13年に太陽光発電設備の架台部分のみ、農地の一時転用を認めるという農地法の改正があって、徐々に普及した。だが、営農を継続しない不適切な事例も散見されたため、農水省は24年4月、農地法の施行規則を改正し、ガイドラインを策定して法令違反への厳格な措置を行った。25年4月には食料・農業・農村基本法計画で、営農用太陽光発電の優良事例を整理し、市町村の関与のもと地域活性化に資するものを推進するため、制度見直しの議論を始めたという経緯がある。つまり、再エネと農業、双方の視点で地域の合意形成を図る必要があるとして、農水省は市町村管轄で地域共生の営農用太陽光発電を普及させたい考えだ。そのうえで、不適切な事案を排除し、優良事例を標準化するため、営農用太陽光発電の形状を具体的に定める方針である。

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