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熊谷組、つくば市の研究施設に260kW太陽光導入

自家消費提案にも活用

新事業開発本部事業創生推進室の宮谷清和室長(左)と安全品質環境本部品質環境推進部の木村真鉄部長(右)

大手ゼネコンの熊谷組(櫻野泰則社長)は2022年1月25日、茨城県つくば市内の自社の研究施設に太陽光発電設備を導入したと発表した。設備で発電した再生可能エネルギー電力を自家消費する。今後は自家消費用太陽光発電設備の提案を始める狙いだ。

同社は、環境省の『二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金』を活用し、筑波技術研究所の実験棟と駐車場に直流出力計260.28‌kWの太陽光発電設備を導入した。BCP(事業継続計画)対策として蓄電容量16.2kWhのニチコン製蓄電設備を併設、年間予想発電量約29万7900kWhを全量自家消費し、施設の電力消費の約30%を賄う計画だ。

熊谷組100%子会社のテクノス(愛知県豊川市、森田栄治社長)に太陽光発電設備の設置工事を委託し、22年1月20日に稼働させた。これで熊谷組が保有する自家消費用太陽光発電設備は、長野県軽井沢町の研修施設と福井市の福井本店ビルの設備も合わせて計3ヵ所となる。

同社は21年2月、事業活動で消費する電力の100%再エネ化を目指す『RE100』に加盟し、同時期にSBT(科学と整合した目標設定)認証を取得した。

同社品質環境推進部の木村真鉄部長は「30年までに事業で排出する二酸化炭素量を20年比で25%削減する計画だ。そのためにも再エネ化を積極的に進め、22年度には全電力消費に占める再エネ率を10%へ高めたい」と意欲的だ。

同社事業創生推進室の宮谷清和室長は、「研究施設の設備を検証し、法人や自治体に自家消費を提案していく。先々はPPA(電力売買契約)展開や、災害時に再エネを提供する形で地域防災にも関わりたい」とし、テクノスと協業して自家消費の提案を拡大する方針だ。

実験棟の太陽光発電設備は、出力385Wの中・JAソーラー製パネル528枚で、直流出力は計203.28‌kW。交流出力は、ソーラーエッジテクノロジー(イスラエル)製PCS(パワーコンディショナ)24.75‌kW機4台で計99‌kWである。

駐車場の設備は、JAソーラー製両面受光パネル搭載の日栄インテック製太陽光カーポート3基で、直流出力は、17.1kWの車6台用2基と22.8kWの車8台用1基で計57‌kW。交流出力はソーラーエッジテクノロジー製PCS24.75‌kW機2台で計49.5kWである。

茨城技術研究所の駐車場に設置されたカーポート型設備

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