中国電力、オフサイトPPA開始
村田製作所と契約
中国電力は2022年3月31日、法人向けの電力料金メニューにオフサイトPPA（電力売買契約）特約を加えると発表した。電源追加性のある再生可能エネルギー電力を企業や自治体に提供する。
同社は4月1日より法人向け電力料金メニューにて『オフサイト太陽光発電特約』の提供を開始。需給契約のある特別高圧または高圧の顧客を対象に、新規開発した〝非FIT〟太陽光発電所が生み出す環境価値付き電力を供給する。オフサイトPPAによる供給単価は系統電力からの供給単価と別に設定する。
供給地域は限定していないが、まずは中国電力管内で提供していく。同社販売事業本部脱炭素ソリューション推進室の前原利彦室長は、「地産地消の観点から発電所も同じ中国地域内につくる予定だ」と語る。契約期間は顧客との協議次第だが、長期契約を基本としているようだ。
非FIT発電所は中国電力が開発・所有する。開発や建設などでは地元企業などとも協業していく方針だ。前原室長は、「原則は林地開発行為などを伴わない発電所を開発する。耕作放棄地も有効活用したい」と話す。
同社はオフサイトPPAの開始に先立ち、3月31日に村田製作所との契約締結を発表。同社は中国地方にある村田製作所グループ全5工場に対し、専用発電所からのオフサイトPPA分を含む再エネ電力を供給する。再エネ由来の非化石証書も組み合わせながら、30年度までに供給する電力の再エネ比率を50％に高める。オフサイトPPA用の非FIT発電所は順次稼働する予定だ。
同社は企業における脱炭素化ニーズの拡大を受け、支援サービスを強化しており、オフサイトPPAのほか、太陽光発電設備や蓄電設備のオンサイトPPA、環境価値付き電力料金メニューも揃える。前原室長は、「複数の手法を組み合わせた提案が可能だ」と語る。
なお、同社は4月4日には太陽光電力のみで運用するEV（電気自動車）シェアリングサービスの実証のほか、太陽光発電を搭載したカーポートを使ったオンサイトPPAサービスの開始を発表。後者では低圧や高圧の顧客を対象に2台用と4台用の設備を用意し、仕様とともに供給単価も標準化した。
