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中央電力、集合住宅向け蓄電池実証開始

電力調達費削減効果検証へ

電力小売りの中央電力(東京都千代田区、丹治保積社長)は2022年12月27日、国の補助事業を活用して集合住宅における蓄電池運用の実証実験を開始した。埼玉県内の集合住宅で産業用蓄電設備を運用し、電力調達費の削減効果を検証する。太陽光発電設備と併せた新たな提案に繋げたい考えだ。

経済産業省の『分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業』に採択され、出力10‌kW・蓄電容量72‌kWhの産業用三相蓄電設備と出力6kWの九電テクノシステムズ製EV充電器をマンションに設置した。EMS(エネルギー管理システム)で制御し、市場価格が安い時間帯に購入した電力を蓄電設備にため、高い時間帯に使う。停電時には入居者に蓄電設備を開放する。なお、リソースアグリゲーションは電力小売りのエナリスに委託する。

同社の佐藤光宏東日本開発営業部長は、「新たなサービスの提供を検討するなか、良い時期に補助事業の募集があり、22年5月に採択された」とし、「現在は決まった時間に蓄電池を制御しているが、今後はAI(人工知能)を活用して市場価格と連動させたい」と話す。

同社は、分譲マンションに太陽光発電設備と蓄電設備を無償で設置するPPA(電力売買契約)の展開を狙う。マンションの電力を一括供給する電力売買契約の締結を条件に太陽光発電設備と蓄電設備を同社の負担で導入し、停電時の電力供給を担保するスキームだ。

同社は23年4月にも提案を開始し、24年4月を目途に新しい防災サービスとして提供していく予定だ。

同社が設置した蓄電池

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