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ピコセラ、大規模発電所の通信環境を支援

西松建設の建設現場に

無線通信機器のピコセラ(東京都中央区、古川浩社長)はこのほど、西松建設が造成工事を請け負う大規模太陽光発電所に通信環境を構築するため、無線通信機器を供給した。通信環境が不安定な山岳地に安定的な通信環境を整備し、現場作業の効率化を図った。

今回、通信環境を構築したのは67haに及ぶ大規模太陽光発電所の建設現場。山岳地で通信環境が不安定だったが、造成工事を請け負った西松建設は、「安定した通信環境があれば、緊急時などにも連絡が取れる。さらに監視カメラを設置すれば、現場確認などの効率化や、悪天候時を含む巡視における安全性向上などにも繋がる」(西松建設九州支社さつま太陽光出張所の前田薫所長)として、通信環境の整備を検討。そこで、別の建設現場で通信環境の構築支援の実績があったピコセラに白羽の矢が立ったという。ピコセラ営業本部の加藤智成副本部長は、「従来の現場と違い、67haという広大な敷地にWi-Fi環境をコストを抑えつつ構築しなければならないため、最大2km程度の長距離通信を可能とする指向性アンテナを新たに製品化した」と話す。

通信環境を整備した発電所建設地

現地にはピコセラ製の無線LAN端末『PCWL-0410』11台と指向性アンテナ10台のほか、監視カメラ6台や電源供給用の太陽光パネル及び蓄電池を設置。2020年3月から実際に運用しているが、西松建設の前田所長は、「十分な通信速度もあり、現場作業員の情報収集のほか、現場指示などにも役立っている」としたうえで、「さらなる効率化のため、監視カメラを3台増設する予定だ」という。

無線LAN端末や指向性アンテナの設計寿命は7年であるため、西松建設は22年6月頃を予定している工事完了後、撤去した機器を別の現場で使用していく方針のようだ。

ピコセラの加藤副本部長は、「太陽光発電所に限らず、通信環境が不安定な広大な敷地で使える。すでに常設での引き合いもある」と語る。太陽光発電所は、通信環境が不安定な場所に建設されることも少なくない。建設中のほか、稼働後にも活用できそうだ。

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