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清水建設、〝非FIT〟太陽光を電力小売りに活用

ゼネコン大手の清水建設(井上和幸社長)はこのほど、FITを使わない〝非FIT〟の太陽光発電所を活用した電力小売りを始めた。脱炭素化への動きが活発になるなか、事例の一つとなりそうだ。

岐阜県恵那市の中部大・恵那キャンパス内に設置された太陽光発電所

同社は、中部大学の恵那キャンパス(岐阜県恵那市)の遊休地を借り、出力400kWの太陽光発電所を建設。発電した太陽光電力を、FITを活用せずに小売電気事業者に売電する。その際、売電収入でゼロカーボンを含む低炭素な電力を調達し、中部大の関連施設に供給していく。

中部大学第一高等学校(愛知県日進市)と中部大学春日丘中学校・高等学校(同県春日井市)、研修センター(岐阜県恵那市)、新穂高山荘(同県高山市)の計4施設に既存の電力料金単価よりも安く供給するという。4施設のCO2年間排出量を現状の800tから約200tに削減できると見込んでいる。

同社は2012年、中部大とスマートグリッド実証事業を開始。春日井キャンパスで電力使用量の抑制や電力需要の平準化に向けた実証試験を実施してきた。今回の取り組みも、その延長線上にあるとし、「初期投資を抑えつつCO2排出量を削減する手法となり得る。中部大と研究し、得られた知見を普及拡大に繋げたい」(同社LCV事業本部エネルギー・インフラ運営事業部の関泰三氏)という。

事業期間は20年4月から25年間。環境省の補助金の活用に加え、長期の事業スキームを採用することで、供給単価の抑制や投資回収を可能としたようだ。

同社は、太陽光電力の売電単価を非公表としたが、補助事業の要件を満たすために4施設で消費したと見做せずに余った太陽光電力を売電しないほか、契約途中の単価見直し条項も設けた模様だ。

同本部BSP部の山岡泰上席エンジニアは、「今回は非FITモデルの第1号であり、あくまで手法の一つだ。脱炭素への需要を見据え、様々な仕組みを検討していく」と意気込む。︎

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