3年内n型100GW体制

チントのパネル大増産計画

中国の太陽光パネルメーカー、チントニューエナジーテクノロジーがパネルの生産能力を大幅に増強する。高効率なn型単結晶パネルを日本で拡販する狙いだ。

チントニューエナジーテクノロジーは、2025年末までに太陽電池セルと太陽光パネルの年産能力をそれぞれ22年末時点の5倍となる110GWまで増強する計画をぶち上げた。新工場では、量産型トンネル酸化膜パッシベーションコンタクトと呼ばれるトップコン技術を採用したn型単結晶シリコンセルと同セル搭載の太陽光パネルを量産する。25年末には生産量のうち9割、100GW規模がn型品となる見込みだ。

日本法人、チントニューエナジージャパンの呉建鋒社長はn型単結晶セル搭載パネルについて、「現在主流のp型単結晶セル搭載パネルに比べ、発電量が5~8%向上します。価格は3%程高くなりますが、n型のメリットは十分にあります」と語る。

n型単結晶パネルは、発電効率が高く、経年劣化率が低いものの、割高だ。そこでチントは、生産規模を大幅に拡張し、価格競争力を高める狙いである。

もっとも、チントは早くからn型単結晶パネルの生産に着手したが、政策によってパネルの需要が左右される状況を考慮し、敢えて投資を控えていた。だが、世界のエネルギー情勢が激変し、再生可能エネルギーの需要が急速に拡大したため、ここに来て大規模な投資に踏み切ったのである。

これに伴い、チントは販売に力を入れる。主に中国国内で開発する自社グループの太陽光発電所に太陽光パネルを出荷してきたが、今後は輸出先を拡げ、欧州や南米、さらに日本向けの販売に本腰を入れる構えだ。

設置事例。屋根上向けでは累計12GW超という世界最大規模の出荷実績を誇る