3年内n型100GW体制

チントのパネル大増産計画

耐塩害仕様や蓄電池販売で差別化

同社の太陽光パネルは洋上太陽光発電所でも使用できる高い腐食耐性を誇る

では、日本向けの展開ではどのような戦略を描いているのだろうか。

まずn型単結晶パネルの納期の短縮化である。チントはn型単結晶パネルの年産規模がすでに20GWに達しているが、世界中で販売しているだけに、奪い合いになっている。そこでチントニューエナジージャパンは、中国の工場で日本市場向けに一定規模の在庫を確保して、短納期化を図る考えだ。呉社長は、「日本のお客様に対して、n型単結晶パネルを1ヵ月半から2ヵ月で納品できる体制を整えています」と状況を話す。

さらに呉社長は、塩害地域への提案を強める考えを明かした。太陽光発電所の適地が減少し、これまで敬遠されてきた沿岸部やため池への設置需要が拡大すると見込んだわけだ。しかも、多くの太陽光パネルメーカーが両面ガラス構造の腐食耐性の高い塩害対応品を販売するなか、チントは自社製の塩害対応パネルで洋上太陽光発電事業を手掛けるなど、塩害性能においても高い技術を有している。

呉社長は「当社には、両面ガラス構造ながらも軽量な塩害地対応品があります。塩害地の屋根上設置にも当社の製品は使用できます」と自信を覗かせる。

さらに、今後はFITを活用しない〝非FIT〟のもとで太陽光発電所の開発が進むと、公共・産業用の蓄電設備や太陽光発電所併設型の蓄電設備の需要拡大が見込まれる。それだけに、チントニューエナジージャパンは、グループの蓄電設備メーカーから蓄電設備を調達し、太陽光パネルとセットで販売する方針も示している。

このほか、チントニューエナジージャパンは、太陽光パネルメーカー向けのOEM(他社ブランドでの生産)や太陽光発電所開発の海外展開を支援する事業も始める計画だ。

チントニューエナジージャパンの呉建鋒社長