Products Review

戸上電機製作所

アークフォルト監視装置発売 火災事故防止に

配電機器や制御機器を製造する戸上電機製作所(佐賀市、戸上信一社長)は2020年11月20日、太陽光発電設備の直流回路におけるアーク放電を検出するアークフォルト監視装置を発売した。火災事故を防ぐ装置で、同社は戸建住宅や集合住宅など屋根上設置の太陽光発電設備向けに提案していく。

同装置は、太陽光発電設備の直流回路のストリング毎に取り付けたクランプ式CTセンサで電流を常時監視し、独自のアルゴリズムで直流アーク放電の発生を検出する。ノイズなどで誤作動しないよう実証試験を含めた研究開発が進められ、このほど製品化された。

太陽光発電設備における直流アーク放電は、機器の焼損や延焼を招き、火災事故に繋がる恐れがある。アークフォルト監視装置は火災事故を未然に防ぐ役割が期待できる。営業本部営業統括部ソリューション&マーケティンググループの吉冨行雄マネージャーは、「太陽光発電設備には漏電ブレーカーや感震ブレーカーといった火災予防の保護装置が搭載されていないので、市場の健全性を考慮して装置を開発した」と振り返る。

アーク検出後の対応については、アーク検出時に交流側の回路を遮断する電磁接触器付きを揃えているほか、同社の提供する『OUD遠隔監視サービス』と組み合わせれば、アーク検出時に指定したアドレスにメールが発報される。

同装置は現在、出力10kW以下のパワーコンディショナに対応。最大適用電圧はDC600Vで、1台で最大4ストリングまで監視する。クランプ式CTセンサが用いられており、既設でも設置しやすい。住宅用太陽光発電設備のほか、集合住宅など小規模事業所などでも活用できそうだ。

アークフォルト監視装置『ArcCATCHER(アークキャッチャー)』

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