再エネ企業家のための持続可能な経営術

有力再エネ企業 | 新代表インタビュー❷ |

「再エネと電力小売りの融合で付加価値を創出」

Looop(ループ) 森田卓巳代表取締役社長CEO

太陽光発電設備の販売・施工から始まり、電力小売りで大きく飛躍したループ。2024年3月からCEOとして会社を率いる森田卓巳社長に展望を聞いた。

──直近の事業概況は。

売上高の7~8割を占める電力小売り事業では、2022年にJEPX(日本卸電力取引所)価格が高騰して新規申込み受付を約1年停止していた影響が24年3月期に色濃く現れた。想定よりも契約数は減らなかったが、新規契約を増やせず、総売上高は前期の660億円強から455億円に減少し、営業利益は約13億円から7.5億円に下がった。
もっとも、23年3月に完全市場連動型の電力料金メニューを導入してからは事業は安定している。付加価値の提供にも力を注いでおり、電力料金の変化を〝見える化〟し、ピークシフトを促す独自のアプリを開発した。現在、契約数は30万件に達したほか、23年度の解約率は期初に見込んでいた2.5%から1.3%程度に抑えることができた。
一方、再生可能エネルギー事業では、開発からEPC(設計・調達・建設)、O&M(管理・保守)まで手掛けており、現時点で当社が関与した再エネ容量は0.5GWに及ぶ。発電事業も行っており、24年3月には北海道豊富町で出力30MWの陸上風力発電所の営業運転を開始した。〝非FIT〟事業に乗り出すなかでは、オンサイトPPA(電力売買契約)が拡大基調にある。中部電力ミライズと設立したPPA会社からのEPC業務の受託を中心に、当社単独でもPPA事業を展開している。

 

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