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東芝、非FIT事業支援開始

東芝エネルギーシステムズがFITを活用しない再エネ発電所開発の支援を始める。このほど、FIPを活用して太陽光発電所を運営する発電事業者と契約を交わした。(本誌・岡田浩一)

東芝エネルギーシステムズ(神奈川県川崎市、小西崇夫社長)は2022年5月17日、FITを活用しない非FITの再生可能エネルギー発電事業の支援を事業化すると発表した。FIP(フィード・イン・プレミアム制度)を活用する発電事業者の支援から着手し、同日に初めて契約を交わしたことも明かした。同事業で25年度には売上高210億円を目指す。

同社は、まず〝計画値同時同量〟に係る業務を代行する。発電事業者の代わりに電力広域的運営推進機関へ発電量の計画値を提出し、計画値と実発電量に誤差が生じると課せられるインバランスのリスクを負う。太陽光発電や風力発電など複数の再エネ発電所をまとめて調整する発電BG(バランシンググループ)を形成して業務を手掛けていく。

さらに同社は、再エネ電力の買取りも行い、発電事業者が実質固定価格で20年間売電できる〝疑似FIT〟という仕組みを築いた。FIPのもとでは、FIT売電単価と同額のFIP価格から参照価格を除したプレミアム(供給促進交付金)が事業者に支給されるが、参照価格が毎月変動するため、プレミアムの予見性が低い。そこで同社は参照価格で事業者から電力を買取ることで、FIPを活用する事業者が実質FITの売電単価で20年間売電できるようにした。今後は参照価格より高く電力を買取ることも検討していく考えだ。

東芝エネルギーシステムズの新貝英己マーケティングエグゼクティブは、「FIPでは、事業の収益性が見通せず、金融機関からの融資が受け難いため、事業者がFITのように固定価格で売電できる仕組みをつくった」と経緯を話す。

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