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林野庁、太陽光発電所開発の規制強化へ

林地開発許可300kWまで拡大か

林野庁が太陽光発電所の建設に伴う林地開発の規制を強化する検討に入った。面積0.5ha、出力300kW相当まで対象を拡げる方向だ。

林地開発許可制度とは、森林の保全を念頭に、面積1ha以上の民有林を開発する事業者へ一定の要件を課す制度である。行政は森林の保全や防災の機能維持、周辺地域の水の確保などの点で影響がないか、現地調査をもとに審査し、事業者は都道府県知事から許可を得なければ開発できない。

やがて林地を開発して太陽光発電所を建設する発電事業者が増えたため、林野庁は2019年12月に林地開発許可基準規則を設け、排水施設の設計基準や開発面積当たりの森林比率を定めつつ、防災施設の設置や住民説明会の実施などを発電事業者に求めた。

だが、制度は1ha以上の森林を開発する事業者を対象とするもので、出力換算で約600kW以上の太陽光発電所を開発する発電事業者に課される義務である。1ha未満の小規模林地開発は制度の範疇外だった。

それゆえ、1ha未満の林地を開発して太陽光発電所を建設する発電事業者は市町村長に届け出をすればよく、森林の保全や災害のリスクに対する対応が甘かったようだ。事実、1ha未満の林地を開発して建設された太陽光発電所で土砂の流出や濁流などの発生が比較的多く確認されている。

もっとも、21年に林野庁が自治体を通じて1ha未満の小規模林地開発地の土砂流出や濁流の発生状況を調査したところ、13年度から19年度までの7年間で39件だった。小規模林地開発件数5万9897件の僅か0.07%に過ぎず、制度創設時から変化していなかった。ただ、災害が発生した39件のうち27件が太陽光発電所の開発地だったという。

そこで林野庁は22年1月に検討会での議論を開始。衛星画像や現地を調査し、太陽光発電所を建設した林地開発地を一般の林地開発地と比べて土砂の流出や濁流の発生率を分析した。その結果、太陽光発電所用地の場合、0.57‌haの林地開発で、一般の林地開発を1ha行った場合と同等の割合で災害が発生していたことが判明した。

これを受け、林野庁は22年6月17日の検討会で、太陽光発電所を建設する場合、開発面積約0.5‌haまで林地開発許可を求めるよう制度を改める考えを示した。

これについて、林野庁森林整備部治山課の村松義昭森林土木専門官は、「林地開発許可制度の目的は森林の保全であり、発電事業の規制ではない。審査で問題があっても、事業者は計画を修正し、対処すれば許可は下りる」としている。

このほか林野庁は、発電事業者の施工体制や防災施設の整備についても検討を進めており、23年には施行規則などを改定する予定である。

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