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出力抑制ルール 自家消費設備は例外

余剰電力を売電する設計の自家消費用太陽光発電設備は出力抑制の対象設備である。では出力抑制がかかると、自家消費分まで抑制されるのか。(本誌・岡田浩一)

「出力抑制がかかると、PCS(パワーコンディショナ)が止まり、自家消費分の電力まで削減されてしまうのではないか」。

そんな懸念が一部のEPC(設計・調達・建設)企業の間で広がった。

確かに、電力系統に接続する太陽光発電設備はFITやFIP(フィード・イン・プレミアム制度)の活用有無に限らず、すべて出力抑制の対象となる。それは自家消費用の太陽光発電設備でも余剰電力を売電するものであれば例外ではない。ならば、電力会社から出力抑制の指令が下ると、PCSが発電量を抑制し、本来自家消費するはずだった太陽光電力まで抑制されてしまうのだろうか。

これについては、自家消費分は原則抑制しないというルールが経済産業省の専門会議で決められている。つまり、太陽光発電所の出力抑制は発電量を抑える仕組みゆえ、原則PCSが抑制されるのであるが、電力消費量に追従してPCSを制御する負荷追従装置やRPR(逆電力継電器)を設置しておけば、問題はないのである。

電力会社から指令を受けた際に負荷追従機能が作動し、逆潮流量がゼロになれば、自家消費分は抑制されないというわけだ。余剰電力を売電する設計が施された出力100kWの自家消費用太陽光発電設備に60%抑制する指令が下りても、施設内の使用電力が100kWだった場合は、自家消費分は100kW確保される。

もっとも、逆潮流量は必ずしもゼロにしなければならないわけではなく、逆潮流が発生した5分以内に定格出力の5%以内に抑えればよい。ただし、100%の出力抑制指令を受けた場合は、5分以内に逆潮流量をゼロにしなければならないので要注意である。

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