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「営農用太陽光の普及に壁 自治体支援の拡充が急務」

自然エネルギー財団 塚本悠平研究員

営農用太陽光発電に対するFIT・FIPの支援継続が一旦見送られたことを受け、自然エネルギー財団の塚本研究員が見解を述べた。

経済産業省は今回、FIT・FIPの支援継続先のひとつに営農用太陽光発電を選んだが、農林水産省が2027年4月に施行する新制度によって営農用太陽光発電の導入が伸び悩むのではないかと懸念している。

静岡県や千葉県の一部市町村では、事業者と自治体が連携して信頼関係を構築し、着実に導入実績を伸ばしている。こうした地域では基本計画の策定や設備整備計画の認定も円滑に進むだろう。

だが、そうした自治体は1700を超える市町村のごく一部だ。基本計画の策定や認定には時間や費用、人的資源が必要なので、取り組みを進められない自治体が大半になるだろう。実際、自治体へのヒアリングでは、基本計画の策定に半年から1年を要するとの声も聞かれる。制度改正後、自治体に対する包括的な支援体制が整わなければ、営農用太陽光発電の普及が一部地域にとどまってしまう恐れがある。

一方で、営農用太陽光発電に関心をもつ自治体からの相談が徐々に増えている。基本計画の策定に前向きな自治体もあるが、多くは知見や経験が不足しているのが実情だ。自治体が円滑に計画を策定し、地域の実情に即した事業を進められるよう、実務面の支援も欠かせない。農水省には、ガイドラインや基本方針のひな型作成、オンライン説明会の開催だけでなく、専門家の派遣や金融面の支援など導入を後押しする踏み込んだ施策を求めたい。

また、累計6000件にのぼる営農用太陽光発電について、設備や営農状況、収量などのデータが十分に公表されていない点も課題である。データベース化し、地域特性に応じた支援の仕組みを早急に整えるべきだ。

農業振興と再生可能エネルギーの導入拡大の観点から、営農用太陽光発電は推進すべき事業である。これを自立した事業へと発展させていくためには、自家消費型やPPA(電力売買契約)方式による事業化を促進する必要がある。ただ、農業者にとっては、電力の販売先となるオフテイカーやアグリゲータの選定が事業化への課題となる。発電事業者、需要家、営農者をつなぐ中間支援組織やコーディネータを育成し、中長期目線で産業基盤を整えていくことも重要だ。

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