堀内電気、近計システムを提訴へ
損害賠償額2300万円
福岡県のEPC企業、堀内電気はこのほど、EMS製造の近計システムに約2332万円の損害賠償を求めて提訴する意向を固めた。太陽光発電所に併設した蓄電設備の試運転に際し、系統から充電したことで被った損害の賠償を請求する。(本誌・川副暁優)
堀内電気(福岡市、堀内重夫社長)は福岡県内の企業が保有する出力2MWの太陽光発電所2ヵ所に出力2MW、蓄電容量4000kWhのファーウェイ製蓄電設備を各々1基ずつ計2基併設する工事を受注、2026年3月末に完工した。
その後4月21日の蓄電設備の試運転に際し、4月18日から20日にかけて蓄電設備に充電して満充電状態にしておくよう指示を受け、堀内電気はアグリゲーションの委託先である東芝に充電するよう依頼した。
ただこのとき問題が起こる。堀内電気と東芝は、太陽光発電所で発電した電力を蓄電設備に充電するつもりでいたが、EMS(エネルギー管理システム)が系統から充電する設定になっており、誤って系統から蓄電設備に充電してしまった。蓄電設備の出力は2MW弱だから、九州電力から高圧電力を購入した扱いになり、発電事業者である顧客には2ヵ所分で計2332万円もの電気代の請求書が届くのだ。堀内電気はすぐに対応し、顧客に全額支払った。
堀内社長は「近計システムには、系統充電なしで運用する旨のメールを1月7日に送っているが、近計システムは当社から告知を受けていないという」と話したうえで、「EMSの設定に関して、当社は触れることも、内容の確認も物理的にできない状態だった。今回はEMSメーカーの近計システムがすべて損害賠償の責任を負うべきだろう」と語る。
太陽光発電所に蓄電設備を併設した経験のある九州のあるエネルギー企業の担当者は「〝FIP(フィード・イン・プレミアム制度)転〟して蓄電設備を併設する工事を終え、蓄電設備を試運転する現場を見てきたが、私の知る限りでは、EMSメーカーと蓄電池メーカーの担当者が必ず現場に立ち会って確認していた」という。
なお、今回の件で近計システムに取材を依頼したが、応じなかった。






