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TMEIC、新型PCS発売

モジュラー式採用で最大4.5MWまで対応

モジュラー方式の新型PCS

PCS(パワーコンディショナ)国内大手のTMEIC(=東芝三菱電機産業システム、東京都中央区、山脇雅彦社長)は7月10日、太陽光発電用PCSの新製品の国内販売を開始した。小型・軽量化を図ったほか、675kWから最大4.5MWまで柔軟な設計を可能にした。大規模太陽光発電所の受注獲得を狙う。

同社が新発売したPCSは、「従来の集中型PCSの流れを踏襲しつつ、分散型PCSの利点を取り入れた」(産業第三システム事業部再生可能エネルギーシステム技術部の杉谷穣部長)もので、新たに複数台のモジュラーPCSを連結する『モジュラー方式』を採用した。モジュラーPCS1台あたりの単機容量は675kWまたは750kWで、最大6台まで連結できる。

直流電圧1500V対応で、モジュラーPCS単体の最大変換効率は675kW機が98.9%、750kW機が99.0%(いずれも補機電力含まず)。MPPT(最大電力点追従)動作範囲の上限値は両機種とも1300Vだが、下限値は前者が800V、後者が875Vと若干の違いがある。

モジュラー方式の採用で、柔軟性のあるシステム設計が可能となり、機種を変えずとも仕様変更に対応しやすくなった。故障発生時には、問題のないモジュラーPCSが運転を継続するため、発電損失の影響を最小限にとどめられる利点もある。

小型・軽量化も実現しており、1台あたりの寸法は、高さ2000mm×幅1100mm×奥行1100mm、底面積は従来比約35%減の1.21㎡。重量は1000㎏未満と同比約40%削減した。設置面積が小さくなるほか、搬送や設置時の費用削減にもつながりそうだ。

新型PCSは、今年5月に海外市場で先行投入し、すでに2GWを受注済み。生産性の向上や構成部材の削減などによって、短納期化やコスト削減を図っているほか、日本仕様品では、重塩害地域向けなどに耐環境性を高めるオプション対応も行う。

当面の販売ターゲットはFITを活用した大規模発電所だが、同事業部再生可能エネルギーシステム営業部の櫻井秀幸部長は、「1000Vや600Vなど異なったシステム電圧への対応も検討したい」とも語る。

7月の展示会で国内初披露。産業第三システム事業部長の澤田尚正執行役員(中央)も参加し、記者発表を行った。

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