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ヤマシタ電気、現場用EL検査の簡易プラン提供開始

ドローンで撮影したEL画像

太陽光発電所のO&Mを手掛けるヤマシタ電気(東京都八王子市、山下幸司社長)は6月、ドローンを使った現場用EL検査の簡易プランの提供を始めた。太陽光パネルを全数ではなく、抜き取り検査にして価格を抑えた。発電所の鑑定評価を担う企業やディベロッパからの引き合いを見込む。

EL検査は太陽光パネルに特殊な電流を流すと発光する性質を利用した診断方法で、発光の仕方で異常の有無や原因がわかるというもの。パネルメーカーが製品出荷前に実施する検査として知られるが、太陽光発電所でも発電量が低いパネルの原因を探る手段などに活用されている。

同社はドローンを用いた現場用EL検査サービスを4月から開始。中部電力子会社のトーエネックが開発したEL検査装置をドローンに搭載した独自サービスで、夜間に実施しているため、パネルを取り外さずにそのまま検査できるほか、従来のEL検査に比べて所要時間を短縮した。数100kW規模の太陽光発電所であれば数時間で検査が完了するという。

ただし、1MWの太陽光発電所のパネル全数検査にかかる費用は100万円以上かかる。そのため、検査の実施に躊躇する企業が少なくなかったようだ。

そこで同社はこのほど簡易プランを開発。発電所の規模に関係なく3ストリング分の太陽光パネルを対象にEL検査を行うというもので、価格を約20万円に抑えた。山下幸司社長は、「一部のパネルから、太陽光発電所全体の劣化状況の傾向を見ることは可能だ。特にPID(電圧誘起劣化)現象の場合、1ヵ所で見つかれば、発電所全体に不具合が生じている可能性が極めて高い」と簡易検査の効果を説明する。

中古市場向けに発電所の評価鑑定を手掛ける企業や発電所売却を検討しているディベロッパなどに提案していく方針で、山下社長は「当社の強みは不具合発見後の解析技術。異常パネルの交換すべき枚数や必要性についても、培ったノウハウを駆使し、最適な修繕計画を提示することができる」と強調した。

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