Inside News

グレースソーラー、日本向け出荷1GW超へ

中国の太陽光架台メーカー、グレースソーラーが日本で架台の販売を伸ばしている。メガソーラー用や屋根上用、太陽光パネル搭載型カーポートなどの受注を増やし、2022年は1GW超の販売を目指す。

同社は21年、日本へ前年比8%増となる約890MW分の架台を出荷した。うち7割がメガソーラー用で、屋根上用と太陽光カーポートがそれぞれ1割、残りが水上用や営農用だったという。コロナ禍の影響で自社工場に訪問できない顧客のためにリモートで見学できる体制を整えて提案を強めたことが功を奏した模様である。

同社のケン・ホン海外営業部長は自社の強みについて「経済産業省の審査に1~2ヵ月程と、他の海外メーカーより早く対応できる」と話す。同社は太陽光カーポート部材であるアルミニウム合金材でJISを取得済みで、21年には福島県の案件に、自動車154台駐車できる大型太陽光カーポートを提供した。

近年、日本ではメガソーラーの開発案件が減っており、日本市場から撤退する海外メーカーもあるが、同社は大型案件を受注しつつ、太陽光カーポートの見積依頼が増えていることから22年に21年比15%増となる1GW超の出荷を目標に掲げ、3月には日本法人の立ち上げに着手した。

同社は21年、前年比微増の約1.2GWに及ぶ架台を出荷した。日本に次いで豪州と東南アジア向けが多かった。現在は欧米や中国で引き合いが増えており、22年には21年比20%増となる1.4GWの販売を見据えている。

同社は中国厦門市に年産能力10GWの架台工場を保有し、大型の倉庫を設けている。近年、アルミ材料が高騰しているが、ホン海外営業部長は「倉庫が広く、アルミ価格が安い時に大量に購入して在庫を抱えることで価格低減に努めている」と対策を語った。

中国厦門市に構える同社の工場外観

Inside News を読む

一覧を見る