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千葉大、千葉エコと営農太陽光+スマート農機の実証開始

葉物野菜を栽培している出力775.15kWの営農用太陽光発電所

千葉大学は2022年9月30日、営農用太陽光発電のコンサルティングを手掛ける千葉エコ・エネルギーらと営農用太陽光発電所やスマート農機を活用した実証試験を開始すると発表した。食料自給率とエネルギー自給率の両方を高める。

同大学らは、22年度JST(科学技術振興機構)の『SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた共創的研究開発プログラム』に採択され、4500万円を受給する。

今回の実証実験では、千葉エコ・エネルギーが所有する千葉市内の営農用太陽光発電所2ヵ所と新設予定の営農用太陽光発電所1ヵ所の計3ヵ所で農作業の効率化を検証する。発電所の支柱に気象観測装置を設置して気温、湿度、降水量や日射量を計測。気象データを活用して害虫の発生時期などを調査しつつ、スマート農機による労働の省力化を検証する。

千葉大学大学院社会科学研究院の倉阪秀史教授は、「農業従事者の高齢化や後継者不足の課題は根深い。営農用太陽光発電所とスマート農機を組み合わせることで、新規就農者の省力化や収益の安定化を構築する」と語る。

既設の営農用太陽光発電所の設備容量は、直流出力775.15‌kW、交流出力625kWと、同76.44‌kW、49.5kW。下部農地では葉物野菜とイチジクを栽培している。新設の発電所では稲を栽培する予定だ。

千葉大学が気象データや栽培データを分析する。千葉エコ・エネルギーや子会社のつなぐファームは作物を栽培する。スマート農機はヤンマーアグリジャパンから賃借する。

3年に亘って実証実験を行い、25年まで継続的にデータを収集して分析する予定だ。

 

イチジクを栽培している出力76.44kWの営農用太陽光発電所

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