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出光興産、再エネ電力分別供給システム開発

種子島で実証開始

出光興産はこのほど、再生可能エネルギー電力の使用を利用者が自ら選択できる分別供給システムを開発した。EV(電気自動車)充電システムにも実装し、2023年4月に種子島で実証事業を始めた。

同社は、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活かして、再エネ由来の電力と電力系統から供給される再エネ以外の電力を分別するシステムを開発した。電源の属性を把握するトレーサビリティ(追跡可能性)によって分電盤単位で供給する電力を可視化する仕組みゆえ、施設に入居するテナントや部屋単位で使用電力を分別できる。

同社地域創生事業室素材・サービスグループの笠井卓也氏は、「工場では、再エネを特定の製造ラインで使用する電力に割り当てることも可能だ」と語る。

さらに同社は、EV充電における再エネの利用を想定し、1分単位で供給電力を分別する仕組みを構築。EV利用者が再エネ充電を選択できるEV充電システムを開発した。

23年4月には、鹿児島県の種子島にある南種子町役場庁舎と種子島空港で実証事業を開始。町役場庁舎には太陽光パネル出力57.75‌kWの太陽光発電設備と5台のEV用普通充電器を、種子島空港には同54.75‌kWの太陽光発電設備と3台のEV用普通充電器をそれぞれ設置し、双方に再エネ電力分別供給システムとEV充電システムを導入した。両施設では、再エネ電力を施設内で選択的に使用しつつ、EV充電器の利用者には従量課金制で再エネ充電を選択できるようにした。

いずれも、出光興産が太陽光発電設備をオンサイトPPA(電力売買契約)方式で導入し、種子島石油がEV用普通充電器を管理・運用する。太陽光パネルはソーラーフロンティア製を、EV用普通充電器は九電テクノシステムズ製を採用し、EPC(設計・調達・建設)業務は南国殖産が手掛けた。

出光興産は、実証事業を4年間継続し、再エネによる二酸化炭素の削減効果や、従量課金制によるEV充電の顧客満足度のほか、小規模なオンサイトPPAの事業性を検証する。

今回のシステムは、再エネの使用場所を選べる仕組みだ。今後はオフサイト型の再エネ設備におけるシステムの活用など、利用が広がりそうだ。

再エネ電力分別供給システムの名称は『IDEPASS(イデパス)』、EV充電システムの名称は『再エネチョイス』。

南種子町役場に設置された太陽光発電設備。オンサイトPPAのもと、再エネ電力を分別供給する

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