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大成建設、カネカと建材一体型パネル開発

窓と外壁に設置可能

『シースルータイプ』

大成建設(村田誉之社長)は12月19日、カネカ(角倉護社長)と建材一体型太陽光パネルを開発したと発表した。建物の外壁や窓に設置でき、高効率で意匠性に優れる点が特徴だ。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)などに提案していく。

両社の建材一体型太陽光パネルは、窓に取り付ける『シースルータイプ』と壁面設置用の『ソリッドタイプ』の2種類。大成建設設備計画部の山口亮環境技術開発室長は、「発電性能だけでなく、遮熱や採光などの快適性や省エネ性、意匠性も重視した製品づくりを目指した」という。

いずれも太陽電池はカネカ製を採用。結晶系の両面受光タイプでセル変換効率は20%程度と高いほか、意匠性を高めるために、「太陽電池には電極線が見えない構造を採用した」(カネカの中島昭彦BIPV事業開発グループリーダー)という。案件によってPERC搭載単結晶型やヘテロ接合型の高効率太陽電池を使い分けるようだ。

シースルータイプは、いわば両面ガラス構造の太陽光パネル。開口率50%と透過性が高いものの、パネル変換効率は約10%を実現した。太陽電池と裏面ガラスの間に遮熱・断熱性能を向上させるLow-E膜を挟み込んでいるが、太陽電池が両面受光タイプであるため、同膜の反射光による発電量の増大も期待できるという。

一方、ソリッドタイプは、外壁などへの設置を想定した製品で、パネル変換効率は約20%と高い。カーテンウォールなどと組み合わせる形で提供していく予定だ。

太陽光発電の自家消費利用が広がるにつれ、窓や壁面へのパネル設置のニーズが増えるかもしれない。

両社は、ZEB化を進める中規模ビルなどに提案していくほか、非常用電源としての強みも訴求する。国内にとどまらず、海外展開も視野に入れているようだ。

建材一体型太陽光パネル『ソリッドタイプ』

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