太陽光パネル価格高騰の真相

2021.03.01

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 太陽光パネルの卸価格が2020年秋から高騰し、なかなか正常に戻らない。何が起きているのか。(本誌・平沢元嗣)

 「2020年夏に比べ、W5円は上がった」。
 ある中国太陽光パネルメーカーの営業担当者はそう打ち明ける。これまで太陽光パネルの卸価格の相場は下がり続け、一時はW単価20円台前半まで下がったが、20年秋から上昇に転じた。現在は取引量にもよるが、同20円台後半、30円手前まで値上がりしている。
 理由の1つに、材料費の高騰がある。とくにガラスの値上がりは深刻なようで、中・ジンコソーラーやトリナ・ソーラーらは20年11月、中国政府に「ガラスの市況が20年7月以降2倍へ上昇した」と訴え、対策を求めた。というのも、ガラス市況の高騰は、生産調整と環境負荷軽減を目的とした中国政府による18年からの工場新設規制が主因とされている。太陽光パネルの大型化や両面受光パネルが流行しているだけに、パネルメーカーにとってガラス高騰の影響は大きいのだろう。
 さらにはポリシリコンの価格上昇だ。20年夏には中国のポリシリコンメーカー2社の工場でそれぞれ火災事故が発生したほか、豪雨災害の影響で工場の操業停止を余儀なくされたメーカーもあった。これにより、それまで1㎏あたり6.5米ドル(約700円)程度だったポリシリコンの平均価格が現在同10米ドル(約1080円)を超えている。
 この2つの材料の値上がりが突出しているが、某パネルメーカー日本法人の社長によれば「すべての材料費が上がっている」ようで、ある材料メーカーの担当者は、「ガラスやポリシリコンの価格上昇に便乗し、他の部材メーカーも値上げ交渉をしている」という。
 一方で、物流費の値上げを指摘する声もある。デュポン・スペシャルティ・プロダクツの柴田道男PVソリューション部門長は、「結晶系太陽電池の製造原価のうち材料費の割合は大きくない」とし、「輸送費の高騰が最も深刻だ」と強調する。
 コロナ禍で船便の数が減少したうえ、各国の中国への輸出量が減った。コンテナの数が不足し、パネルメーカーはコンテナの確保に難航して輸送費が上昇しているというのだ。「航路にもよるが、コロナ禍前に比べ輸送費は2〜5倍にも跳ね上がった」との証言もある。
 ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長は、「コンテナの確保が難しければ、納期遅れにも繋がりかねない。運開期限が迫り、早くパネルを確保しなければならない買い手は、多少高くても購入するだろうから、メーカーはそうした顧客を優先するのかもしれない」と述べる。
 太陽光パネルの高騰はいつまで続くのか。パネル用ガラスの設備増強を政府が認めたという情報もある。次第に正常化するとの見通しもあるが、コロナ禍の収束に時間がかかるとすれば、輸送費の高騰はしばらく続くかもしれない。

2021.01.04

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太陽電池の特許侵害騒動 韓ハンファ、競合3社と対立

 太陽光パネル大手の韓ハンファQセルズが、自社の特許侵害を巡り、ジンコソーラーら競合3社と世界各地で法廷闘争を繰り広げている。日本市場における3社の販売に影響が及ぶ可能性もないではない。(本誌・平沢元続きを読む

2020.11.30

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台PCS製造のヴォルトロニック・パワー、日本進出に意欲

 台湾のPCS(パワーコンディショナ)メーカーであるヴォルトロニック・パワーがこのほど日本進出を模索している。日本企業と連携し、市場参入を狙う構えだ。

 同社は2008年続きを読む

2020.11.01

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中インリー、持ち株会社を清算 メーカー保証は製造子会社で継続

 太陽光パネルメーカーの中・インリーグループが、持ち株会社のインリー・グリーンエナジーホールディングスを清算する。太陽光パネルの保証債務を子会社に移し、履行する構えを示している。(本誌・川副暁優)続きを読む

2020.10.01

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中国のシリコン工場が相次ぎ 被災パネル価格上昇か

 中国で太陽電池原料である多結晶シリコンの工場が相次ぎ被災した。原料の需給が逼迫し、太陽光パネルの価格が一時的に上昇するかもしれない。(本誌・平沢元嗣)

 2020年7月続きを読む

2019.12.31

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中ジンコ、三重県の98MWメガソーラーにパネル供給

 太陽光パネル世界最大手の中ジンコソーラーは12月31日、三重県松阪市の大規模メガソーラーにパネルを供給したと発表した。出力98MWと三重県最大級のメガソーラーである。
 同社のパネルが続きを読む

2019.11.08

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中ジンコ、単結晶ウエハの生産能力増強 20年半ばに18GWへ

 太陽光パネル世界最大手の中ジンコソーラーは11月8日、中国四川省楽山の四川工場における単結晶ウエハの生産能力を増強すると発表した。これにより、単結晶ウエハの生産能力は2020年第2四半期(4~6月)続きを読む

2019.01.17

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ライセンエネルギー、72セルの太陽光パネルで変換効率21%

 太陽光パネル大手の中国・ライセンエネルギーは1月17日、72セル搭載の太陽光パネルの変換効率が21%に達したと発表した。PERCセルを使用したパネルにおける世界記録を更新したという。
続きを読む

2018.12.25

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再エネ技術で世界を狙う! 台湾勢が日本市場に熱視線

 台湾政府が再エネの導入を強く推進しており、再エネ事業に力を注ぐ台湾企業が多い。彼らの多くは台湾国内だけではなく、海外展開をも視野に入れている。

 2016年5月に蔡英文続きを読む

2018.12.19

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昭シェル子会社、米国のメガソーラープロジェクト買収

 昭和シェル石油(東京都港区、亀岡剛社長)は12月19日、連結子会社であるソーラーフロンティアアメリカズがカナディアン・ソーラーの100%子会社であるリカレントエナジーから米カリフォルニア州における建続きを読む

2018.12.04

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中セラフィム、ベトナムに80MWパネル供給へ

 中国太陽電池製造セラフィム・ソーラー(江蘇州常州市、李綱総経理)は11月13日、マレーシアのEPC(設計・調達・建設)企業、ERSエナジーと太陽光パネルの供給契約を締結したと発表した。ERSらがベト続きを読む