O&M費大幅削減へ afterFITのIT戦略

画像のAI解析で瞬時に要因特定

さらに、ドローンで撮影した画像をAIで解析するソフトウェアも自社で組み上げた。詳細は次回、ドローンの回に譲るが、その解析ソフトを使えば、撮影データを即座に管理システムに転送し、僅か数時間でAIによる画像の解析が終わる。

解析の結果は、オフィスにいるシステムの管理側だけではなく、現地の作業者にも即座に共有できる。現地の点検は事故などに備えて、2人一組での入場が原則とされているなか、現地の作業者とオフィスでのカメラと通信によるベテランの指示者という方法で、安全面に配慮しながら最適な点検を行える。

ドローン点検の導入以前、1MW規模で2人で丸一日かかっていたが、今では15分程度で点検が完了する。

同社は、太陽光発電所の位置まで衛星データで解析し、経産省IDや発電所名など、日本中の発電所をデータベース化し、マッチングすることで、AIがドローンの最適な航行ルートを自動で計算できるソフトウェアを開発した。年内には日本中の発電所の解析が終了し、どの発電所であっても直ぐにドローン点検を実施できるようになる予定だ。

太陽光発電所の所在地や設備の配置情報を入力するだけで、AIがドローンの最適な航行ルートを自動で計算できるソフトウェアを開発した

IT化やAIの導入がもたらすものは、O&M費用の低減だけではない。高い点検精度のO&Mを安定的に提供できるという。ドローンを含め、点検や異常の判定まで自動化すれば、どの太陽光発電所に対しても高品質かつ低価格なO&Mを提供できるようになるのだ。「より質の高いO&Mサービスの提供には、ノウハウの蓄積が重要です。そのため、正社員によるサービス提供と、情報を蓄積・社内共有できる仕組み(システム)を構築し、教育によりレベルの向上にも注力しています」と谷本代表。