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北海道安平町、公共施設の再エネ100実現へ本格始動

蓄電池併設太陽光も活用

2030年までに公共施設の再エネ100%化を目指す取り組みが北海道安平町で本格始動した。地域エネルギー会社などとの連携のもとで地産地消を実現していく方針で、夜間供給を担う蓄電池併設太陽光発電所も活用する計画だ。(本誌・楓崇志)

事業開始にあたって、記者発表も開催した

北海道安平町と地域エネルギー会社のあびらエナジーは2026年4月17日、30年までに公共施設の使用電力を全て再生可能エネルギー化していく取り組みを本格始動させると発表した。あびらエナジーがPPA(電力売買契約)方式などで太陽光発電設備や蓄電設備を設置し、生み出した再エネ電力を公共施設に供給していく。町内の再エネ電源による地産地消を推進し、脱炭素化とともに、防災機能の強化や地域経済循環も実現していく構えだ。

具体的には、あびらエナジーが公共施設16件と民間施設3件で主にオンサイトPPAによる電力供給を行いつつ、町有地や民有地に5件の地上設置型太陽光発電所を建設する。垂直設置型設備を採用した営農用太陽光発電所も計画に加えた。19件のオンサイト案件に加え、3件の地上設置型太陽光発電所には蓄電設備を併設し、町の防災機能強化のほか、夜間の再エネ電力の供給にも役立てる。合計導入量は太陽光発電設備が直流換算で約5.7MW、蓄電設備が蓄電容量で1740kWhとなる予定だ。

事業主体となるあびらエナジーは24年5月に設立された地域エネルギー会社。主要株主には、安平町のほか、町と脱炭素化に関する連携協定を締結しているエイコーエナジオやEPC(設計・調達・建設)などを手掛けるサンヴィレッジが名を連ねる。

公共施設向けの電力小売り供給では、電力小売りやアグリゲータライセンスを持つサンヴィレッジと連携。あびらエナジーが取次業者として参画し、オンサイトPPAで発生した余剰電力も蓄電設備を使いながら地域内循環させる方針だ。

あびらエナジーの北野史人社長は、「蓄電池を併設した太陽光発電設備はいわばベース電源だ」とし、「電力使用量の多い冬季の再エネが足りないので、町内の太陽光発電所の〝FIP(フィード・イン・プレミアム制度)転〟なども検討していきたい」と語る。

北海道では18年9月の北海道胆振東部地震で全域停電となる〝ブラックアウト〟が発生。これを機に安平町は脱炭素化とともに災害時に強いまちづくりを推進し、24年1月に『ゼロカーボンシティ』を宣言していた。地元関係者のほか、金融機関や民間企業、有機者などが参加する協議会も立ち上げており、地域での合意形成を図りつつ、実現に向けた準備を進めていた。北野社長は、「今回の事業は自治体主導であるからこそ、ここまで辿り着くことができた」とも振り返る。

今回の事業は、環境省の『重点対策加速化事業』の交付金を活用した25年度からの5ヵ年計画。総事業費は17.1億円で、環境省から7.6億円の交付を受ける予定だ。あびらエナジーは地元の金融機関である北海道銀行との融資契約も締結済みで、蓄電設備を含む太陽光発電設備の導入資金8億39百万円をグリーンローンで調達する。

すでに設備導入を始めており、25年度には3件の公共施設に設置した。26年度は少なくとも5件以上の導入を目指し、蓄電池併設型太陽光発電所も1件建設する考えだ。サンヴィレッジの三村挑嗣社長は、「地域循環型の再エネ事業の実現に向け、アグリゲーション機能を含めた我々の知見や技術を役立てたい。今回の事業を第1弾として、他の地域にも拡げていきたい」と語る。

ともあれ、蓄電池併設型太陽光発電所は夜間の再エネ供給源となり得る。既設案件の〝FIP転+蓄電池併設〟を含め、地域脱炭素化の側面からの出番が増えそうだ。

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