eye sight

経産省、FIT・FIPの支援縮小へ 公共地への導入や太陽光カーポートなどに限定か

宙に浮く営農用太陽光

営農用太陽光発電についてはFITやFIPの支援継続の有無もさることながら、それに加えて、農林水産省による制度改正が営農用太陽光発電の導入を阻害しかねないという事案の影響が大きく、再エネ業界では懸念の声が広がっている。

現に、農水省が26年7月から8月にかけて農山漁村再エネ法改正の意見公募を行ったところ、一律に遮光率30%未満とした制度改定案には反対の意見が多かった。遮光率30%未満の基準設定には科学的根拠が欠如しているとの指摘があり、施行時期の延期や移行期間の延長を求める声が目立った。

農水省は27年4月1日に同法を施行するが、営農用太陽光発電に関する農山漁村再エネ法に基づく基本計画が策定されていない市町村については、施行から4ヵ月間は現行通り農地法に基づく一時転用許可申請を認める経過措置を取る方針だ。

営農用太陽光発電事業を進めているある自治体の関係者は新制度への対応に追われ、「27年4月の施行に間に合うように、農業部局との連携を始めた。ただ、事業用太陽光のFIT価格が10円/kWhを切るなか、物価の上昇と相俟って事業採算性が合わない。営農用太陽光に前向きな営農者を探すことも難しくなる」と肩を落とす。

営農用太陽光発電の調査研究を行う自然エネルギー財団の塚本悠平研究員は、「営農用太陽光の建設費は一般の太陽光発電所の建設費と比べて1.5~2倍になる場合もあるので、まだまだ支援が必要だ。営農用太陽光の導入を鈍化させないためにも、農水省は早急に対策を講じ、自治体や事業者、営農者に対する包括的な支援を中長期的に実施するべきである」と語る。

再エネの導入拡大に向け課題が山積するなかで導入ポテンシャルの大きい営農用太陽光発電の普及は欠かせないはずだ。規制強化とともに、優良事例へのインセンティブの付与など普及を後押しする施策も講じるべきではないだろうか。

eye sight を読む

一覧を見る