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アルファゼロス、太陽光パネル劣化診断装置開発

太陽光関連商材を販売するアルファゼロス(東京都港区、仲濱秀斉会長)は今年8月、太陽光パネルの劣化状態を診断する装置を開発した。太陽光発電所の売買や中古パネルの選定時での活用を見込む。

同社が開発したのは、結晶系太陽光パネルの出力の劣化状態を調べ、そのデータから将来の劣化の進行を予測する装置だ。

仲濱会長は、「ガラス内のナトリウムが太陽電池セルに引き寄せられて生じた酢酸ナトリウムが電極を溶かし、抵抗値が大きくなる。これが劣化のメカニズムだ」とし、「ナトリウムがEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)を通過すると、EVAがアルカリ性になって加水分解し、ポリマーの二重結合が残る。ナトリウムの移動に比例して二重結合は増えるため、その量から将来の劣化が予測できる」と説明する。

診断の際は、太陽光パネルに専用の機器を取りつければよく、クラウド上に構築したシステムが自動で解析する。診断のために設置済みのパネルを取り外す必要はない。中古パネルの選別にも使用可能で、診断時間はパネル1枚1分程度である。

仲濱会長は、「現在のパネルの劣化状態を調べる技術はあっても、20年後の状態を予測する技術は他にない」と自信を見せる。同社はO&M企業と共同で診断を実施していく。

「発電所では、特定のパネルだけ著しく劣化することはないから、1MWの発電所であれば、20枚程診断すればよい」(仲濱会長)。診断料は数十万円程度である。

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