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日立パワーソリューションズ 太陽光併設型風力発電設備で初実績

青森県六ヶ所村で出力1920kW

日立製作所子会社の日立パワーソリューションズ(茨城県日立市、安藤次男社長)は2023年3月6日、青森県六ヶ所村で既存の系統連系枠を活用できる太陽光発電併設型の風力発電設備を納入したと発表した。同社初の実績で、蓄電設備の併設や小規模電力網(マイクログリッド)など用途を拡げる構えだ。

同社はこのほど、青森県六ヶ所村で13年9月に運転を開始していた交流出力1920kWの太陽光発電所と同じ系統連系点に接続する同出力の独・エネルコン製風力発電設備を納入した。

風力発電設備は、電巧社、サイサン、森和エナジーの共同事業体が運営する六ヶ所村ウィンド・ソーラー協調発電所に追加接続された。出力変動緩和制御技術によって既存の太陽光発電との合成出力が連系容量を超えないように制御される。太陽光発電所が利用していない空き容量を活用し、系統枠の利用率は従来の14%から29ポイント増の43%に上昇する見込みだ。

同社は17年に同技術を活かした太陽光発電併設型の風力発電設備を発表。既存系統を有効活用することで系統費の削減や工期の短縮化などが期待でき、再生可能エネルギーの導入拡大にも役立つ。ただ、既存の太陽光発電所の変動に合わせて風力発電設備を追従制御し、合成出力を連系容量以内に抑えていくことになるため、設置場所の風況や既存太陽光発電所の系統枠の利用状況などで導入効果も大きく変わる。

同社再生可能エネルギー営業部の佐藤和行主任は、「太陽光発電と風力発電の出力が逆相関の関係になる形が望ましい」としたうえで、「今回の発電所の立地は風況が良かったうえ、積雪地でもあることも系統利用率の向上に寄与した」と話す。

同社の風力発電設備の出力変動緩和制御技術は、細かな出力指令に応じて追従制御できる特徴を持つ。再エネ需要が拡大するなかで、太陽光発電所にとどまらず、蓄電設備や他の発電設備などとの併設のほか、自家消費用や小規模電力網などでの活用も想定しているようだ。

六ヶ所村ウィンド・ソーラー協調発電所。稼働済みの太陽光発電所(左)と今回追設した風力発電設備

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