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NEC、アグリゲータ向け補償サービスを開発へ

東京海上日動と協業

日本電気(=NEC、森田隆之社長兼CEO)はこのほどRA(リソースアグリゲータ)向け補償サービスの開発に着手した。東京海上日動火災保険(広瀬伸一社長)と仕組みを築き、2021年10月を目途に提供していく。

RAとは、蓄電設備や自家発電機を持つ複数の電力需要家と特定の時間帯に電力の使用を抑えてもらうDR(デマンドレスポンス)契約を結ぶことで調整力という価値をつくり、販売する事業者を指す。21年4月には調整力を取引する需給調整市場が開設されるだけに、RAが増えそうなものだが、自然災害で需要家の設備が故障するなどしてDRを実施できなくなる事態も起こり得る。その際RAは罰則金を払うか、他の需要家にDRを追加要請して凌ぐわけだが、いずれにせよ、追加費用が発生する。そこでNECは今回のサービスでその追加費用を補償しようと考えたのだ。

NECは自然災害のほかにも、サイバーテロや通信障害といったRAの責任外の特殊事情の損失も補填する構えで、同社第二都市インフラソリューション事業部の田村徹也シニアマネージャーは、「どこまで我々がRAの事業リスクを補填できるか、東京海上日動さんの知見を借りながら補償内容や免責事項などを詰めていきたい」と話す。

NECは、DRや需給調整市場への参入といったVPP(仮想発電所)事業を手掛けるRA向けのシステムを開発した。蓄電設備や自家発電機、EMS(エネルギー管理システム)などの分散型電力設備を管理・制御できるもので、同社はこれを用いて20年度まで国の実証事業に参画してきた。

21年10月から実用段階に入るため、同社はRA向けに販売を始める計画だ。今回の補償サービスをシステムに付加し、他のシステムとの差別化を図る狙いである。

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