【PR企画】 住宅用から系統用・併設用まで

定置型電池最前線

鍵握るJC-STAR

ただ、系統用蓄電池市場では投資が過熱気味で、系統連系協議の長期化などの問題が生じている。国は対策に乗り出し、26年8月1日からは1事業者あたりの系統用蓄電所の接続検討数に上限が設けられる予定だ。最近は低圧規模の系統用蓄電所を開発する動きもあって、市場が落ち着くかどうかは予断を許さない状況だ。

もっとも、定置型蓄電池市場の先行きを占うことになりそうなのが、蓄電設備におけるサイバーセキュリティ対策への対応だ。経済産業省は分散型電源のサイバーセキュリティ対策として、『JC-STAR(セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度)』の活用を推進。系統連系する太陽光発電設備や蓄電設備のPCS(パワーコンディショナ)やEMS(エネルギー管理システム)など通信機能を有する制御機器に対し、JC-STARの基準1の取得を27年4月から要件化する方針を決めた。そのうち50‌kW未満の低圧設備は流通在庫を考慮して27年10月から適用する予定だ。

なお、JC-STARとは、経産省がIoT(モノのインターネット)機器のセキュリティ機能の評価や可視化などを目的に創設し、同省管轄のIPA(情報処理推進機構)が運用している制度。セキュリティレベルに応じた4段階の基準を設定しており、最も低い基準1と2は『自己適合宣言』、3以上は第三者認証となる。

25年度の国の補助事業や長期脱炭素電源オークションでは先んじて基準1の取得が要件化されており、前述のパワーエックスも取得済みである。そうしたなかで焦点となっているのが、中国勢の取得状況だ。

26年5月中旬時点でIPAのホームページに公表されている取得製品リストを見ると、定置型蓄電池関連では日本だけでなく、欧州や台湾、カナダ系企業などの名はあるものの、定置型蓄電池市場でよく聞く中国勢の名前は見当たらない。

26年度からは住宅用蓄電設備に対する経産省の補助事業でもJC-STARの取得が要件化されている。系統用に限らず、すべての蓄電設備の設置案件が対応に追われる状況だ。つまり現在、蓄電設備の設置を計画していても、建設時期が27年度以降になるのであれば、JC-STAR未取得の蓄電設備では系統接続が認められないのだ。

ともあれ、定置型蓄電池は再生可能エネルギーのさらなる普及に欠かせない存在だ。有力企業も育ちつつあるなかで、各社のJC-STARの取得状況を含め、注目の1年となりそうだ。

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