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日本ベネックス、3MWの屋根借り太陽光稼働

高圧で国内初の『ノンファーム型接続』

 

太陽光発電のEPC(設計・調達・建設)を手掛ける日本ベネックス(長崎県諫早市、小林洋平社長)はこのほど、千葉県印西市で出力3MWの屋根借り式太陽光発電所を稼働させた。単独の物流施設における屋根借り式太陽光発電としては国内最大級で、「ノンファーム型接続」で稼働した高圧太陽光発電所では国内初となる。

同社は、千葉県印西市松崎台にある物流施設、『アイミッションズパーク印西』の屋根を賃借し、屋根借り式太陽光発電所を稼働させた。2020年5月に着工し、9月19日に運転を開始。出力3MW分の太陽光パネルと、1.99MW分のPCS(パワーコンディショナ)を設置し、年間発電量は318万kWhを見込む。

太陽光パネルはJAソーラー製、PCSは明電舎製、PCS収納盤は明電舎と日本ベネックスの共同開発品を採用した。

同発電所は、19年上期のFIT入札で同社が落札した案件で、売電単価はkWhあたり13.45円。設置場所は、東京電力パワーグリッドが系統混雑時の出力抑制を新規接続の要件とするノンファーム型接続を試行的に始めた地域だった。

東電PGはノンファーム型接続の実施にあたり、該当する基幹系統における1年間の想定潮流を1時間ごとに算出し、降順に並べ替えた持続曲線を公表。再生可能エネルギー発電所が5GW追加接続されても出力抑制時間は年間1%以下と試算しており、日本ベネックスの小林洋平社長は、「出力抑制の可能性がそれほど大きくないと判断した。東電PGの試算は金融機関への説明時にも活用した」と話す。

今回の稼働で、同社が所有する太陽光発電所は23ヵ所、計20.6MWとなった。そのうち屋根借り式太陽光は7ヵ所、計11.9MWである。小林社長は、「屋根借り式太陽光は環境負荷が小さく、導入費を抑えやすい。FIP(フィード・イン・プレミアム制度)も視野に開発を続けていきたい」と語った。

『ベネックス印西ソーラーポート

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