パナソニック、蓄電所向けサイバー対策のデータセット公開
パナソニックホールディングスは2026年5月25日、系統用蓄電所などのセキュリティ対策を構築するため、再生可能エネルギー設備向けのデータセットを無償で公開した。電力会社やセキュリティ関連企業、研究機関での利用を想定し、セキュリティ対策の強化に寄与する考えだ。
同社は25年10月から、独・フランホーファー研究機構と共同で、再エネ設備に対するサイバー攻撃の影響を分析できるデータセットを開発してきた。フランホーファー研究機構は、電力設備や通信システムを実験環境で再現し、平常時とサイバー攻撃を受けた時の挙動を収集、データを統合した。パナソニックは、実際の運用を想定した通信システムを構成し、平常時とサイバー攻撃を受けた時の通信パターンなどの設計を担った。
両社は26年2月、再エネ設備の発電量や電力消費地の負荷、蓄電池状態などのほか、EMS(エネルギー管理システム)の制御指令や通信データを1秒単位で同期し、サイバー攻撃による電力設備や通信システムへの影響を分析できるデータセットを開発。攻撃の有無や時間の経過に伴う電力設備や通信システムへの影響を示すラベルをデータ上に置き、利用者がシステムに及ぶ影響を時系列で追跡できるようにした。
パナソニックは、今回のデータセットを活用して不正アクセスやサイバー攻撃などの異常通信を発見する検知エンジンを強化し、27年にも再エネ業界向けのセキュリティ対策サービスを本格展開する方針だ。
パナソニック技術部門DX・CPS本部デジタル・AI技術センターセキュリティソリューション部の氏家良浩課長は、「再エネ電源には関係者が多く、特に系統用蓄電所には複数の通信機能があるので攻撃されやすい。システム全体でセキュリティ対策を講じる必要がある」と強調する。
パナソニックは、製造業やビル事業者向けにセキュリティ対策サービスを提供している。再エネ設備向けには、滋賀県草津市内の自社工場や伊藤忠商事の系統用蓄電所でセキュリティ対策の実証試験を始めた。今後はサイバー攻撃の検知や分析エンジンを活用したセキュリティ対策サービスを再エネ事業者向けに展開していく構えである。

