カクイチ、コシダカ向けに小規模屋根活用フィジカルPPA開始へ
アップデーターと連携

カクイチは倉庫や車庫の屋根を活用した太陽光発電事業を実施。今回のオフサイトPPAでも活用する
農業用倉庫の製販などを手掛けるカクイチ(長野市、田中離有社長)は2026年7月1日、電力小売りのアップデーターと連携し、『カラオケまねきねこ』を運営するコシダカとフィジカルPPA(電力売買契約)を締結したと発表した。農業用倉庫や車庫など小規模な屋根に設置した太陽光パネルによる再生可能エネルギー電力を集約する点が特徴で、26年8月から順次供給していく予定だ。
今回3社が締結したフィジカルPPAは、発電事業者のカクイチが全国5電力管内に61件合計出力約433kWの低圧太陽光発電設備を設置・所有し、電力小売り会社のアップデーターを通じて、コシダカが運営する41店舗に再エネ電力を供給するというもの。3社は発電所と需要地の電力管内を一致させる。契約期間は20年で、26年8月から順次供給を開始する予定だ。
特徴的なのは、カクイチが既存事業で販売した農業用倉庫や車庫などの屋根を施主から借りる形で低圧太陽光発電設備を設置している点だ。しかも1件あたりの交流出力は4.95kWまたは9.9kWと、10kW未満である。
もっとも、同社は販売・施工した農業用倉庫や車庫などを活用した屋根借り方式の太陽光発電事業を13年から展開。自社製品の屋根に設置するため、仕様を標準化しているほか、自らEPC(設計・調達・建設)まで手掛けているという。
カクイチEPCEMS技術開発グループエネルギー技術実装チームの國本博己リーダーは、「施主にとっては賃料を受け取れるだけでなく、鉄製屋根の温度上昇や劣化速度の抑制効果が期待できるほか、災害時には非常用電源としても活用できる」とし、これまでの設置実績は約1.8万件、約140MWに及ぶ。
これまでFITを活用してきたが、今回のPPAが初の〝非FIT〟案件になったという。同社の田玉千章取締役は、「FITと違い、売電先も確保しなければならないが、屋根借り方式で多くの事業を実施してきた知見は活かせるはずだ」とし、「まだ太陽光パネルが載っていない倉庫があるほか、新設時にも導入を提案している。今後も増やしていきたい」と意気込む。
こうした屋根上かつ小規模な太陽光発電設備を集約し、フィジカルPPAに活用する事例は珍しい。國本リーダーは、「今後も発電事業を拡大していきたいが、なかでも地域貢献や社会課題の解決を重視したい。地域新電力会社や自治体などとも連携し、エネルギーを含めた町おこしにも貢献していければ」と語る。

