パシフィックコンサル、水上太陽光で実証開始
ペロブスカイトなど薄膜パネルの適用性検証
建設コンサルタント大手のパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区、大本修社長)は2026年7月28日、ダム貯水池にペロブスカイト型の太陽光パネルなどを置き、実証事業を開始すると発表した。水深10m超のダム貯水池で水上太陽光発電設備としての利用が可能かどうか、適用性を検証していく予定だ。
同社は、長野県内のダムに、ペロブスカイト型や薄膜シリコン型のほか、一般の結晶シリコン系も含めて複数の太陽光パネルを設置し、適用性を比較していく。洪水時の流速や水位変動に対応できる設置・係留方法を探っていくという。
同社国土基盤事業本部流域構造部再生可能エネルギー推進・開発室の小森谷哲夫室長は、「国内の水深10m超のダム貯水池では、潜水士による設備の設置や点検が困難なため、水上太陽光発電設備の適用事例がなかった」と語る。
そこで同社は、本実証事業で設備の設置方法や点検方法を海外の先行事例をもとに検証しつつ、設備の設置による水質への影響も調査することにした。
大雨で洪水が発生した場合、ダムに水を貯水し、ダムから水を流すことになるが、流速の上昇や水位変動の影響で発電設備が損傷する可能性があるため、洪水時には事前に設備を撤去する必要もあるという。
そこで同社は実証事業にあたり、2種類の設備を用意した。1つは、損傷防止のため、洪水時には設備を水上から撤去するいかだタイプである。容易に撤去できるよう設備を簡素化しており、施工費を抑えられる。2つ目は、耐久性を高め、洪水時にも常設可能なフレームタイプだ。水中に錘を設置し、両端を固定するもので、施工費が割高になるため、大規模な発電設備に向く。
同社は27年3月までに各種調査や設計、開発を行う。27年4月に設置工事を開始し、同年12月まで実証実験を行う予定だ。

