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トラストスミス、パネル亀裂のAI検知システム開発

世界初、大手デベロッパと共同開発

ドローンで撮影した画像からパネル故障をAIで検知

大学発ベンチャーのトラストスミス(東京都文京区、渡辺琢真社長)はこのほど、ドローンで撮影した画像から太陽光パネルの亀裂を検知するAI(人工知能)システムを世界で初めて開発したと発表した。効率よくパネルの不具合を検出できるシステムであり、太陽光発電所のO&M(管理・保守)などで利用が広がりそうだ。

同社の開発したシステムでは、自動航行するドローンにRGBカメラと赤外線カメラを搭載し、太陽光発電所の上空から太陽光パネルを撮影。それら撮影した画像をもとに、異常認識するAIがパネルの異常発熱部(ホットスポット)や亀裂を見つけ出す。なかでも亀裂を検知できるAIは世界初だという。

同社は東京大学の学生らが立ち上げたベンチャー企業。画像認識技術を用いて、工場機械の異常を検知するAIや歩行者を計測するAIを開発してきた実績を持つ。

今回のAIシステムは、再エネ発電所の大手デベロッパとの共同開発。渡辺琢真社長は「我々は画像から異常を検知する技術を有しており、それらを活かし、開発した。技術は確立できた」と話す。現在の検知精度は8割ほどだが、実際の検知では1枚のパネルにつき2回の判定を行うことになるため、精度はさらに上がるという。

同社のシステムを使えば、1時間で1MW程度を撮影できるため、人手による検知方法と比べて、人件費など点検費用の削減や人手不足の解消につながる可能性がある。現時点では一般的な結晶系パネルであれば、異常の検知が可能で、薄膜系パネルへの対応も進める方針。来年6月をめどに大手デベロッパとともにサービス提供会社を設立する見通しだ。

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