オリックス（東京都港区、井上亮社長）は5月19日、福島県相馬市に出力52.5MWの太陽光発電所を建設すると発表した。年間の発電量は約6000万kWh、売電収入は21億6000万円を見込む。被災した土地を有効利用し、発電事業の収益の一部を地元の農業振興に寄付する考えだ。
　発電所は、東日本大震災で被災し、耕作が困難となった農地約70万㎡を活用する。2015年3月に農地転用が認められ、土地の75％を約90名の地権者から、残りを相馬市から借り入れた。17年3月には海岸沿いに7.2ｍの防波堤が完成予定である。
　韓ハンファソーラーワンのモジュールを約19万8000枚使用し、TMEIC製のパワーコンディショナを設置する。基礎と架台には防腐対策を施す。7月に着工し、2017年6月の竣工を目指す。
　開発にあたりオリックスは、九電工（福岡市、西村松次社長）やベルテクノエナジー（東京都千代田区、鈴木洋社長）、九電みらいエナジー（福岡市、穐山泰治社長）と、地元相馬市の北斗電気設備工事（菅野一徳社長）ら4社とSPC（特別目的会社）を設立。発電所の開発と竣工後の運営をSPCが担う。
　九電工と北斗電気はEPC（設計・調達・建設）業務を担う。九電工は竣工後の保守・管理も行うが、一部業務を地元企業に委託し、雇用を生み出すとしている。
　開発資金は三菱東京UFJ銀行を主幹銀行とするノンリコース型のプロジェクトファイナンスで調達する。
　なお、レナトス相馬ソーラーパークの出資比率は、九電工40％、オリックス30％、ベルテクノエナジー19.8％、九電みらいエナジー10％、北斗電気設備工事0.2％である。