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中国ZTEクァンタムがドロン メーカー責任を放棄

2018.10.30

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 中国のPCSメーカー、ZTEクァンタムの日本法人が忽然と姿を消した。顧客サービスを停止し、一切の責任を放棄。販売代理店が困惑している。(PVeye記者・川副暁優)

 「こんな無責任な対応はあり得ないだろう」。
 呆れ顔でこう語るのは、都内で太陽光発電所の販売・施工を手掛けるフォレストの森春幸会長兼CEOだ。同社は2013年からZTEクァンタムのPCS(パワーコンディショナ)を扱ってきた販売代理店だったが、今夏からZTEクァンタムと連絡が取れなくなったという。
 そして9月11日、日本法人ZTEクァンタムジャパンの代理人と称する弁護士法人、NYリーガルパートナーズから「破産手続きに着手する」との一報が届く。
 関係者によれば、ZTEクァンタムジャパンはすでに社員を全員解雇し、10月17日に東京都中央区築地の事務所を解約する手筈になっていたようだ。
 ZTEクァンタムと取引していたのはフォレストだけではない。太陽光発電所の施工大手ウエストホールディングスやエコスタイルのほか、ログマックスやゲンバカンリシステムズなどの販売・施工会社も、日本法人を介してPCSを調達し、太陽光発電所に仕上げて顧客に販売。その数1万5000台にのぼるとみられる。
 それだけに、各社は頭を抱えているが、そのひとつが、ZTEクァンタムジャパンが所有していたサーバの機能停止だ。同社はPCSの発電情報をサーバで集中管理し、ウェブサイト上に公開する遠隔監視サービスを提供していたのだが、それが突然停止した。
 事実、ZTEクァンタムのPCSを用いて低圧太陽光発電所を建てた宮崎県延岡市在住のある発電事業者は、「8月20日頃から(ZTEクァンタムの)サイトにログインできなくなった」といい、さらに、「9月20日に現場に行くと、メーターが止まっていた。確認したところ、本来10万円程になる売電収入が8月21日からの1ヵ月間は2300円しかなかった。8月22日辺りからPCSが止まっていたのでは」と話す。
 太陽光発電所を建設したエコスタイルは、「ZTEクァンタムに問い合わせたが、連絡が取れなかった」(同社経営企画部の中津留克彦執行役員部長)。結局エコスタイルの負担でPCSをすべて取り換えている。

出力抑制対応も問題

 実は、ZTEクァンタムのPCSは不具合が多かったようだ。とくに13年から1年程、日本に出荷された5.8kW機の初期モデルには「設計ミスがあり、不良率は30%以上だった」(メーカー筋)という証言もある。
 実際5.8kW機の初期モデルを販売したフォレストにはクレームの連絡が後を絶たず、同社は改良した代替品をZTEクァンタムから取り寄せ、不具合が発生する度にPCSを入れ替えていた。
しかし今回、ZTEクァンタムジャパンが撤退し、親会社のZTEクァンタムとも連絡が途絶えたため、代替品の供給が滞りかねない事態に陥っている。
 フォレストの森会長兼CEOは、「在庫が切れたら対処できない」と洩らしつつ、「そもそも、ZTEのPCSをすべて日本製に交換しない限り、抜本的な解決にはならない。ZTEがその費用を負担して賠償するのが筋だ」と語気を強める。同社が販売したZTEクァンタム製PCSは3000台に及び、すべて取り換えるには8億円は下らないだろう。
 一方で、出力抑制の対応も問題だ。太陽光発電の出力抑制ルールが変更された時期に、他のPCSメーカーと同じくZTEクァンタムも対象のPCSに後づけする出力抑制対応機器を用意した。
だが、九州電力管内こそ行き渡ったものの、四国電力管内では未設置のところもあるらしい。にもかかわらず、ZTEクァンタムから出力抑制対応機器を調達できないのだ。在庫が尽きると、四電管内の出力抑制に対応できず、最悪の場合、発電事業者が電力会社から売電契約を打ち切られる懸念もある。
 確証はないが、ZTEグループはPCS事業から全面撤退し、中国のZTEクァンタムも清算する方向で準備を進めているらしい。
 仮にそれが事実だとしても、PCSメーカーの責任を放棄し、取引先との契約を反故にしてよいわけがない。
 このままトラブルを放置すれば、ZTEグループ全体の信用が失墜し、日本における通信端末事業に影響が及ぶ可能性もないではない。

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